ARMの買収とソフトバンクの経営について思うこと

なぜ孫正義はARMを買収できたのか?

ARMの買収額「3.3兆円」!

この買収を皆さんはどう高いと思いますか?それとも妥当な額だと思いますか?はたまた安いと思いますか?

筆者の見解としては、妥当ではないがソフトバンクの今後の事業には必要だったのではないかと考えている。

ま、少なくとも安い額ではない事はお分りいただけると思うが、この買収劇には色々なドラマがあったと言われています。

そしてこのM&Aでソフトバンクとみずほフィナンシャルグループはこの先切っても切れない関係になった。

ところで実は、この買収劇の裏でソフトバンクはみずほを覗くメガバン2行に融資を断られている。

それなのに、なぜみずほFGはソフトバンクに1兆円をも額を貸したのだろうか?

 

 

今回は、この買収劇について筆者の見解とソフトバンクの借金手法について
語りたいと思う。

 今回のARMの買収で、ソフトバンクグループは適正価格以上のプライム価格で買収したが収発表前のARMの株価に対して約43%のプレミアムを乗せた金額で買収したと言われている。

そのため、ARMの株主はメリットが多く、反対する人がいなかったとお言われている。

なぜ、適正価格に対して、約1.5倍近くの値段で買収したのだろうか?

ソフトバンクグループでは、現在society5.0に向けてIot事業に力を入れている。

 そのIoTを実現するには、今はインターネットの機能が入っていないようなデバイスにも入れられる、低消費電力な半導体が必要になる。たとえば、財布を毎日充電する人はいないだろう。そのため、一度電池を入れ替えたらそれで半年なり1年なりという長期間動くようになっていなければならない程度の低消費電力の半導体が必要になっていく。

 このようにソフトバンクは世界で、低消費電力をアドバンテージにモバイルコンピューティングの世界を制覇してきたARMの買収は喉から手が出るほど欲しいのだ。しかも、IoTの市場規模は、現在のモバイルの市場よりもさらに大きな可能性があると様々な経済アナリストが提言している。

 少し考えてみればわかると思うが、現在我々が利用している携帯端末の数とこれから先、成長が大きく見込まれるIoT機器の数は比較してみて欲しい。普通に考えれば、家庭内には家電をはじめ、シューズ、リュック等我々の生活に必要不可欠なものが多くあるがそれは将来的にIoTビジネスに繋がる可能性が大いにあるのだ。

 そのため、ソフトバンクとしてはARM社のARMベースのチップがどうしても欲しいのだ。買収される前のARM社のベースのチップは、世界にこれまで約900億個出荷されている。このチップを買収後のインタービューで孫正義さんは「今後、20年の間に1兆個のチップを地球上にばらまく」と語っている。

  実現可能か不可能かは、今後ソフトバンクに戦略に委ねられるがもし仮に実現した時初めて今回の買収は妥当もしくは安いかいもと言われるだろう。

筆者としては、ソフトバンクがどのようにしてこのIoT事業を進めていき、その際にARM社の買収がどのように貢献していくのかにとても興味ある。

 

 

みずほフィナンシャルグループの1兆円融資

通常、1兆円単位の融資ともなると普通は1つの銀行では行わずメガバンクのどれかが主幹事となり、シンジケートローンで融資を行うのが一般的なやり方である。

しかしなぜ、今回みずほはこのような単独融資を行ったのだろうか?

実は、単独融資は決める前、みずほはライバルバンクの三菱UFJ、三井住友に協調融資を持ちかけたと言われている。しかし、三菱UFJ,三井住友ともソフトバンクの財務状況をみて、見送ったと言われている。

それもそのはずだ。ソフトバンクはARM社以外にもアメリカでスプリントの買収等ともうすでに他方で多額の融資を受けており負債額がもうすでに日本の金融機関ではリスクを負いきれなくてなっているのだ。

海外では、自己資本比率が低くても事業に将来性があれば比較的に融資を受けやすいのだが日本ではそうはいかない。今回のソフトバンクの事業も将来的に実現した場合、リターンは確実に返ってくるのだが日本の金融機関はみずほを除いて首を縦に振らなかった。

だが、みずほの場合、昔からの付き合いもあると思うがメガバンクの中で収益が著しく悪化しており打開策がどうしても必要だった。そのため、他行にはバカにされながらも今回の融資を決断したのだ。

そしてこの融資で通常の銀行と企業の関係が逆転したと言われている。

通常、企業が金融機関に融資を依頼すると財務が健全なうちは気を良くして貸してくれるが、少しでも経営が悪化したりするとすぐに銀行は金を返せという。

それをドラマ「半沢直樹」では銀行は「雨の日に傘を貸さず、晴れの日に傘を貸したがる」と皮肉られている。

これは、バブル崩壊やリーマンショックによって金融機関も自分たちを守るためにこのようにせざる得なくなったと思うがもう少し、長い目で企業を見ていって欲しいと思う。

しかし、ソフトバンクの場合は普通の企業とは異なる。何故ならば、ソフトバンクグループはすでに負債額が10兆円を超えており、もしみずほが無理に返済を迫り、ソフトバンクが潰れれば貸したお金が返ってこなくなるのだ。これが普通の中小企業ならまだしも、既に1兆円以外にも融資をしているため、ソフトバンクとみずほはもう一心同体なのだ。

これを、孫さんはどのように考えているかは分からないが、恐らく孫さんは借金の総額が一定の閾値を越えると企業と銀行の立場が入れ替わり、ソフトバンクは逆に潰れないと考えているのではないか。

もしそう考えてこうしたのならば、孫さんは21世紀において究極の策者だろう。