起業家向け基礎ファイナンス知識: 出資・融資・投資の違い

出資・融資+投資とは?

起業する時にお金を集める方法として、「出資」と「融資」の二つがあります。

金融機関ではよく使われる用語なので覚えときましょう。

ちなみに、「出資」も「融資」も「投資」も第三者がお金を出すという意味で使われているがそれぞれには大きく異なった意味があるのでニュアンスが似てるからと言って混同して使わないようにしましょう。

 

まず、「投資」について説明していきます。投資はファンドや投資銀行、株式投資、債券投資など、金融機関では日々、様々なシーンで使われています。

意味としては、第三者(投資家もしくは金融機関)がある人や企業などに将来的なリターンを期待してお金を出すことを指しています。

そのため、意味としては「出資」も「融資」も投資の一部になります。

なので、「誰に出資するのか」、そしてどのようなリターンを期待するかによって融資する投資なのか、出資する投資なのかに分かれていきます。

 

 

出資する投資とは?

出資する投資について説明していきます。出資は、企業の事業の成功や成長に期待してお金を出します。具体的な方法として、一般的なのは株式投資が挙げられます。株式投資は、投資家が企業の成功や成長に期待して投資先の企業の株式を購入します。

企業の株式の購入をファイナンスでは「出資」と呼びます。

株式を購入すると以下の権利を得る事が出来ます。(購入した株式の割合によって得られる権利が変わっていきます。)

一般的に企業の株式を購入すると、「利益配当請求権(配当を受ける権利)」を得る事が出来ます。

また、株式会社では株主総会を開催する責任があります。会計期間が1年の会社は年1回開催、半年の会社は年2回開催されます。

株式の購入者は「株主」と呼ばれ、株主総会に出席できる権利が得られます。その際に、株主総会で行われる議決に株主は議決権を行使することができます。

 

ただし、株式を購入して出資する投資では、原則いかなる理由があっても返してもらえません。そのため、新たに株式を買いたいという第三者に株式を売却する事は出来ても、投資家自身の自己都合で投資先企業に株を買い取ってもらうことはできません。

この点が、「融資」と「出資」の大きな違いになります。

※譲渡制限付き株式に関しては株式を売却する時に制限があるので注意が必要です。

 

一方で、株式を購入しての出資をしてもらう側の企業ではどのようなメリットがあるのだろうか?

一般的に、会社を起業したり、新規事業や事業拡大により新たに資本が必要になった時に出資してもらうということは、「返済がないお金をもらう」ということになります。

そのため、新規事業や事業拡大に伴う出資を受けて始めた事業が結果的に失敗したとしても企業は負債を抱えることはありません。

逆に、金融機関から融資を受けるとなると元本の返済はもちろん、返済額に金利を上乗せした形で借りた金融機関に返す必要があります。

両者を比較すると、「融資」よりも「出資」のほうが企業経営を行う際に精神的にも資金繰り的にも楽だと言われています。

 

しかし、出資では投資家に株主総会においての議決権を与えることになるので事実上の経営権を付与することになります。そのため、創業者が大量に株式を売却して資金調達した場合、創業よりも投資額が多い投資家がいると投資家が事実上の経営の実権を持つことになります。そのため、経営の実権を持った投資家が創業者の経営方針と一致しないとき、投資家が創業者を解雇することができます。

 

 

所有する株式割合に対する権利(株主の権利)

1、発行済株式の100%を保有

全てを自分の意志で決定によって経営することができます。

 

2、発行済株式の2/3以上を保有

株主総会の特別決議が可能になります。特別決議とは定款の変更、取締役の解任、合併や解散など非常に重要な事柄を決める決議です。

中小企業オーナーの場合は、できる限りこの2/3以上を保有すべきでしょう。

 

3、発行済株式の50%以上を保有

株主総会の普通決議が可能になります。過半数以上なら決議を通すことができます。

但し上記の2/3以上株主と異なり、特別決議は単独で通すことはできません。

 

4、発行済株式の1/3以上を保有

1/3以上を保有すれば特別決議を単独で止めることができます。

そのため、経営の実権を持つオーナーは1/3以上株式を保有する株主に対して決議を通す時に根回しが必要になります。

 

5、発行済株式の3%以上を保有

株主総会の召集、帳簿の閲覧ができます。

帳簿の閲覧は経営の実権を持つオーナーにとって不利になることがあります。

帳簿とは会社のほとんど全ての経理関係資料を指します。日々の経営が実態が第三者に知られるということになるので、競合他社への情報流失などの危険があります。

 

6、発行済株式の1%以上を保有

株主総会における議案提出権が認められます。

単独では大きな力を持ち得ませんが他の株主と協力することによって発言力が増す場合があります。

 

以上、「出資する投資」について説明しましたが長くなってしまったので「融資する投資」について解説していきたいと思います。

 

最後まで読んでいただき有難うございました。